寝ても覚めても映像翻訳

海外在住の映像翻訳者による雑記です。

たかが梗概、されど梗概

先日、初めて「シノプシスの翻訳」という英日案件のお仕事を頂戴しました。

 

しかも聞いてびっくり、なかなか有名なドラマの新シーズンではありませんか!別のお仕事でアタフタしていたものの、ミーハーのプライドに賭けてお断りするわけにはまいりません。何とかスケジュールにねじ込みました。先方もそれを知っていながらこの仕事を投げてくるとは、こちらの正体を完全に見透かされているような…むむ。

 

ご丁寧にパスワードつきの映像リンクを頂戴し、「原文で字数が足りなかったら本編を観て加筆してください」とご案内があったのですが、実はこの作品、こちらでとっくに配信されていま…とは口が裂けても言えず。いやでも、ひょっとしたら、ちゃんと本編を視聴したうえで取り組んでいるか監視されているともかぎらない(←考えすぎだっつーの)。ということで、真面目にリンクからログインして、全話視聴いたしました。大手製作会社の関係者専用ページにアクセスするという、この感動…嗚呼、一生忘れまい。

それにしても、梗概というのは作品を担当した翻訳者が担当するものだと思っていましたが、こういうパターンもあるのですね。だってほら、担当翻訳者ならエピソードの隅から隅まで見て熟知しているし、スラスラ書けそうではありませんか?仮説として考えられるのは、①スケジュールがキッツキツ②安く使える新人が適材③字幕担当者がビッグネームで、梗概ごときをお願いするレベルではない方…とか?

 

①と②で間違いないでしょうが、もちろん③を妄想しながら作業を進めましたとも!そうでもしないと、ね…。ともかく、梗概翻訳料の目安(※底辺)ですとか、制作さん同士のちょっとしたつながりですとか、また一つ勉強になった案件でございました。ありがたや。