寝ても覚めても映像翻訳

海外在住の映像翻訳者による雑記です。

ねるねるねるね

字幕を練るのがこの上ない幸せです。

 

いつも素訳をグワーッと入れ終えてから時間の許す限りひたすら練るのですが、コレがもう苦しいけど楽しくて、楽しいけど苦しくて、病みつきに。アドレナリンの過剰分泌、間違いなしです。

 

素訳の時点では「19文字オーバー」とかがザラですが、パニクって赤字警告を出しまくるSSTをキッ!と見据えながら「フッ。見てなさいよ」と挑発的に宣言してから作業に臨みます。これこそ練りフェチの美徳。一体何のプレイなんだか。

 

相も変わらず寝ても覚めても字幕をこしらえていますが、字幕翻訳への情熱が冷めるどころかどんどんエスカレートしています。あぁ楽しい、好き好き大好き字幕翻訳、練ろ練ろもっと練ろ、ねるねるねるね…気がつくとニヤつきながら作業していることもしばしば。在宅で本当によかった。

 

ここで何より大事なのが、情熱に任せてぶっ飛んだ字幕を書かぬようにする自戒の念。スクール時代、「原文が透けて見える字幕はよろしくない」と教わりましたが、熱意が透けて見える字幕も然り、と自らに何度も言い聞かせています。(別に、「ちょっとトーン下げてください」とか言われたわけじゃないですよ!)クライアントさんに「こいつ、ちゃんと練ってねえな」と思われたら恥ずかしい。だけど、「こいつ、テンション高すぎじゃね?」と思われたらもっと恥ずかしいし、失格です。

 

溢れんばかりの熱い思いをひた隠しにして、涼しい顔でこなれた字幕をサラっと納品する。コレができたら、第一関門突破です!(何のだよ)