寝ても覚めても映像翻訳

海外在住の映像翻訳者による雑記です。

実績+1へ

先月末、初仕事のご依頼をいただきました。バンザーイ!

 

頂戴した案件は中国古装ラブコメのシリーズもの。熱烈歓迎!と言いたいところですが、ガチの中日翻訳です。ヒーーー!7月下旬までもれなく毎週、担当エピソードをガンガン納品していくというスケジュールなんですが、お仕事ヴァージンの私はこれがマイルドなのかハードなのか見当がつかず。

 

作業は本当に楽しいのですが、壁ドン、お姫様抱っこ、三角関係…と、トキめく要素がギュッと詰まった華流作品のノリに慣れていないためか、はたまた私の汚れた心のせいか、映像を見ながらいちいちツッコミが止まりません(仕事しろよ)。

 

「ちょっとぉ、押し倒しといてキッスもしないのー?」

「その時代設定でなんで髪にジェル塗りたくってんのよー。茶髪までいるじゃん」

「そんなふうに倒れて偶然唇が重なるわけないでしょーに」

 

…とまぁ、椅子からずり落ちそうになりながら作業を進めていたところに同ドラマの予告編のお仕事が入ってきたんですが、これにやられました…。たった3分弱の映像に大号泣。そうです、私は予告編フェチです。予告編といいつつも結構ネタバレがあるんですが、あの中国独特の哀愁バラードをぶっこまれると一気に涙腺崩壊です。なるほど、こうやってハマっていくのか…。

 

今週までに2話分を納品し、その合間に予告編字幕、担当話分の梗概の作成、スタッフ&キャスト表の作成などが重なり毎日が修羅場でしたが、何とか最初のひと山は越えた感じであります。とはいえ、中国語の語彙力が致命的に低い私。英日の翻訳作業に比べて作業時間が2~3倍に膨れ上がる状況のもと、風邪ひとつひけば一発アウト!のプレッシャーはこれからも変わりません。とにかく1日分でも貯金を作るべく、毎日ヒーコラ言いながら訳しています。

 

ということで、晴れて字幕翻訳者の端くれとして、この世界に足を踏み入れることができました。ロックダウン中に多くの人が失業しているなか、こうしてお仕事にありつけたことが言葉にならないほどありがたい…。こうなったらもう、全身全霊で映像翻訳業界に恩返しを!!アツくてウザい字幕翻訳者を目指して、今後も精進していきたいと思います。