寝ても覚めても映像翻訳

海外在住の映像翻訳者による雑記です。

『アースクエイクバード』の気になるシーン

ネットフリックスで配信中の『アースクエイクバード』という作品。主人公ルーシーが字幕翻訳家である、という情報を小耳に挟んだもので、「ひょっとして作品中にスポッティング作業とかしてるんじゃ!?」という淡い期待を抱いて鑑賞してみました。

 

いや~、ルーシーを演じたアリシア・ヴィキャンデルの演技も日本語も素晴らしかったです。日本語、相当特訓したんでしょうね。大変失礼ながら、彼女と同年にアカデミー賞を受賞したブリー・ラーソンと見分けがつかず『トゥームレイダー』で拝見しても「どっちの人だっけ?」状態でしたが、これを機にしっかりとお顔を覚えました。


それより何より、いちばんのハイライトはお相手役の小林直己さんの色気!たちまちハートを撃ち抜かれてしまいました。この作品、残念ながら批評家の評判は芳しくないそうなんですが、「それでもナオキ・コバヤシを発掘できたのが収穫だった」という記事も目にしましたので、今後海の向こうからバンバンお声がかかるとよいですね!

 

…おっといけない、本題は主人公の職業でしたね。ストーリーに全く絡んでこなかったものの、確かにルーシー嬢、翻訳事務所で働いてました。序盤の勤務シーンで『ブラック・レイン』(’89)をパソコンで再生しながら画面上の日本語字幕を紙に書き写す、という作業をこなしているではないですか!

 

映画の舞台は1980年代ということで、まだSSTもなかった頃だと推測しますが、一体何の作業なのか気になって気になって。既に映像にのっている字幕を紙にしたためている…ということは原稿作成?仕事中に写経?まさかね。それともチェッカーさんだったとか?いやでも外国人にチェックはさせないよなぁ。想像が膨らみます。

 

とにもかくにも、フィクションに翻訳者キャラが出てくると一人で色めき立ってしまいます。この興奮を、どなたかと分かち合いたい…。