寝ても覚めても映像翻訳

海外在住の映像翻訳者による雑記です。

映画に字幕をつける人

車をちょっと走らせた街に、日本語の本を借りられる図書館があります。ほとんどが日系居住者さんからの寄付のようですが、小説、まんが、DVDなど小粒ながら色々揃ってて重宝しております。

 

最近、そこから江國香織さんの『がらくた』という作品を借りて拝読しました。なぜかって、裏表紙の内容紹介に主人公が翻訳家だと書いてあるではありませんか!!トランスレーターの恋愛モノなんて、妄想ネタにピッタリ!

 

読後の感想は…いやいや、妄想どころじゃない、すごい世界でした。皆さん何て自由で危うい生き方をされてるんでしょう。ああいうブッ飛んでる価値観、私は嫌いじゃありませんが、「好みがかれそうな作品だ」と他の読者様がおっしゃるのも納得です。

 

映像翻訳学習者的オタク目線から一番興奮したポイントは、登場人物の一人であるミミちゃん(15歳)の将来の夢が「映画に字幕をつける人」だったこと。字幕翻訳者志望の女子高生、キターーーーーー!!

 

江國香織さん、絵本の翻訳もされていますが、ひょっとしてひょっとすると映像翻訳業界の方にもお知り合いなどいらっしゃるのかもしれませんね?字幕の話題が出る場面のリアリティ感が素晴らしくて、読み進めながらすごーく気になりました。

 

ミミちゃんの将来に幸あれ!