寝ても覚めても映像翻訳

海外在住の映像翻訳者による雑記です。

こぼれ話

先日終了した案件で、ひとつ「?」な出来事があったので記録しておきます。

 

作業を始めて間もないころ、クライアントからある依頼がありました。作品の「ストーリーライン」なるものを作成したので、おかしな箇所があるか翻訳者がチェックしてほしい、という内容でした。

 

目を通してみると、作品の内容とは微妙に違うこと、歴史に忠実でないことが混じっていたので、「ここは厳密には〇〇ではなく××です」とお伝えしました。その線に詳しい人が見たら一発でツッコミが入りそうな内容だったので、念のために。

 

その後、実際のストーリーラインが世に出ているのを目にしたのですが、あれ…修正されてない。あの時の原稿のままではないですか。何かの手違いでこちらのメッセージが先方に伝わらなかったのか、伝わっていたけど結局スルーされたのか、伝わっていたけど締め切りに間に合わなかったのか。真相はいかに。さらに、登場人物の名前の表記にも誤植が。はてさて、どうしたものか。

 

何ていうんでしょうね…翻訳の作業を通して、世の姑よりもはるかに細かく、詳細オブ・ザ・詳細ズまで気にすることに慣れてきたからでしょうか。ちょっとしたケアレスミスに対する嗅覚が鋭くなってきた気がします。その分、私生活ではいろんなことがズボラでテキトーに…ってそれは前からですが。

 

思い過ごしかもしれませんが、一連の出来事で作品に対する「温度差」のようなものを垣間見た気がしました。という話でございました。